こんにちは、ねるみです。
私は去年の11月28日、大矢誠の公判を傍聴しました。
ツイッターで私をフォローしてくれている方は覚えているかもしれませんね。
大矢誠とは、埼玉県で猫を13匹虐待・虐殺し、その様子を撮影した動画をインターネット上に投稿した人物です。
猫を家族と思って生きている私とは対極の存在。
愛護動物をみだりに殺したり傷つけたりした者に課せられる刑は2年以下の懲役または200万円以下の罰金と軽く、またこれまで実刑判決が下った前例はありません。
愛玩動物飼養管理士の資格取得のために動物愛護管理法を勉強して上記のことを知った私は、大矢誠の裁判は一体どうなってしまうのか、その行く末をどうしても見届けたくて裁判傍聴を決意しました。
そのレポートをこれから書き記していこうと思います。
去年のことやんけ!半年以上前やん!ですよね。
このブログを始めたのが去年の大晦日なのでもっと早く書こうと思えば書けたのですが、一応傍聴記録は裁判直後にツイッターでアップしましたし、感情的でない状態でまとめレポートしたいなと思っていたの(とあとは怠惰)でこんなに遅くなってしまいました。
重たく悲しい事件の裁判ですが、レポート自体はいつもの感じで書いていこうと思います。
目次
大矢誠が犯した猫虐待・虐殺事件の概要
大矢誠は埼玉県にて2016年から2017年にかけて猫を少なくとも13匹虐待・虐殺し、その様子を撮影した動画をインターネットの動画投稿サイトに投稿。
ガスバーナーで炙る、熱湯をかけるなどの残虐極まりない手口から、匿名掲示板2ちゃんねるの虐待マニアの間で「神」と呼ばれていた。
動画を見た人の通報がきっかけで逮捕され、「猫は糞尿が臭く、爪研ぎで壁を傷つける。有害動物の駆除であり、法律違反になるとは考えていない」などと当初容疑を否認。
ねるみレポ:裁判の前日
裁判は東京で開かれるので私はど田舎から上京せねばならず・・・
ニョル&まると離れ離れになるので不安で見守りカメラを購入し設置^^
映りも確認して安心、OK〜♫
双方向で音声のやりとりも出来るので隠れてカメラから話しかけたらめちゃめちゃ反応してくれて嬉しかった。
じゃあな、行ってくるでよ。
ねるみレポ:到着〜偵察〜牛丼〜傍聴の練習
結構な朝時間に到着。霞ヶ関の東京地方裁判所です。
敷地内は撮影NGのため、外観のみで失礼しますね。
この裁判は注目度の高さから傍聴券の抽選が行われることになっていて、13時までに所定の場所へ行けば抽選に参加できるとのことでしたが4時間以上あるやん・・・!
警備員さん(?)に尋ねてその所定の場所(1番交付所)に行ってみるも誰も並んでおらず。
そして結構寒い。(11月後半ですからね・・・)
裁判所内の撮影はダメですが別に入っても大丈夫なので、中で色々偵察したりして時間を待つことにしました。
入ってすぐ、受付の隣にある裁判マシーン(?)で当日の裁判のスケジュールが確認できるので触ってみました。
開廷時間は13:30、そして裁判官は細谷泰暢という人か、へー。
スマホで調べたら野球賭博事件などを担当したことがわかりました。
そして裁判が行われる法廷は第429号法廷。
事前に調べたところ、いわゆる「荒れる」と想定される裁判専門の法廷の模様。
厳重な警備がなされ、裁判前の身体チェックはもちろん、裁判中も傍聴人が変な動きとかお喋りなどしようものなら裁判官から「退廷!」と命令されてガンガン追い出されるそうな。
こえー。
「まず抽選なんて当たらないだろうけど、空気だけでも感じたいな」という気持ちで上京しましたが、万が一当選した暁にはじっと地蔵のように傍聴し、ノート取りに専念しようと心に決めていました。(筆記用具は持ち込みOKなんです)
大矢誠を目の前にしてどれだけ怒りで心がいっぱいになろうが、そこはコントロールすべきだし、出来るだろうと。
というか場所を429法廷に設定した司法の人々は、“この事件は傍聴人(猫とか動物に思い入れのある人)が被告人に向かって暴言を吐いたり襲いかかったりしそー”って判断したってことですね・・・。
429法廷に行ってみると、まだ電気もついてないし閉まってる。だよね。
おなかが空いたので裁判所の地下に移動。
なんと、『すき家』があるんです。あとコンビニ、食堂もあったかな。
ツイッターで仲良くしてもらっている方とDMしつつ牛丼をもりもり平らげる。うめぇ。
まだまだ時間があるし、よく考えたら私はこれまで一度も裁判を傍聴した経験がないので、肩慣らしに他の裁判を傍聴してみることに。
地元の地裁にすら足を運んだことがないので分かりませんが、先程の裁判マシーンで確認すると山のように裁判が詰め込まれていました。さすが都会(?)
適当に何個か見繕って法廷へGO&人生初の傍聴体験スタート。
すごい。
何が凄いって、検察官・弁護人ともにお話のスピードが速すぎる。
そして呪文みたいに聞こえる。
相手に聞かせよう伝えようという話し方ではなく、とにかく読み上げますね!ハイ!という感じ。
大矢誠の裁判もこんなんだったらどうしよう・・・と一抹の不安を胸に抱えて傍聴終了。
ねるみレポ:並ぶ〜割り込まれる
なんだかんだしてるうちに時間が経過。
暖かな裁判所内から屋外の一番交付所を見るとちらほら数人程度の列が。
そしてお手洗いから戻るともう数十人並んでる!
私も慌てて外に飛び出して列に加わりました。
そしてあっという間に100人200人とどんどこ数が膨れ上がっていき、週刊女性などマスコミの人達も数人現れました。
見渡すと最初は私より上の年代の女性が多く感じましたが、スーツ姿の若い男性や10代の女の子、おじさま、おばあちゃん、カップルと本当に幅広い人たちが集まっていてこの事件の関心度の高さが伺えました。
リアルやネットの友達と一緒に来てる人もたくさんいて、孤独な私はちょっと羨ましかったです。
でも私人見知りだしなぁ・・・まぁいいや。
ということで地蔵のようにじっとしていると、私の前の方が友達数人を見つけたようで一緒に並びましょうと誘ってる。
お友達が後ろの私を見て躊躇していると、
「いいのいいの、早い者勝ちじゃなくて抽選だから(割り込んでも)大丈夫よ〜」
と言っていて・・・
結局お友達数人も私の前へ並ぶことに。
・・・・・
別に・・・
いいけどさ・・・・
一言あっても・・・・いんじゃね?と心の中で毒づいてみるけど何も言わない私。
確かに早い者勝ちではないですしね。
( ※ 後にこれが功を奏することに・・・)
ねるみレポ:奇跡の傍聴券当選
確か12:30くらいから傍聴券が配られました。
人が集まり過ぎたから予定を早めたのでしょうね。
あとで職員さんに尋ねたら傍聴希望人数トータル348人!
並んだ順でもらった傍聴券に並んだ順番の番号がふられています。
そして、抽選の結果・・・
すいません
大矢誠裁判傍聴当たりました
私のような者がすみません
いってきます— ねるみ🐈ニョル&まる (@neruminium) 2017年11月28日
まさかの当選!!!
ふぉぉぉーーー!!!
割り込んでくれてテンキュー!!!
一般の傍聴席は確か30席くらいだったかな。
本当に震えました。
神様ありがとう。
ねるみレポ:身体チェック〜入廷
人でごった返す中をかいくぐって裁判所内に入り・・・
(今思えばこの時に傍聴券の譲渡が行われてたんですね。私は自分のことに夢中で、他の人に譲るという思考すら無かったです、ごめんなさい。)
エレベーターで429法廷のあるフロアに着いたらもう異常。
警備員何十人いるんだよ。
並ばされて身体チェック、バッグは預けて、手荷物のノートもチェック。
お財布の中までがっつり見られました。しどい。
チェックが終わった人の列に並んでいると、向こうからなんか見たことある綺麗な女の人が歩いてくる・・・と思ったらなんと杉本彩さんでした。
(杉本彩さんは公益財団法人動物環境・福祉協会Evaの代表です)
とても真剣で美しいお顔だったのを覚えています。一瞬でも感動した。
そしていざ入廷。
被告人(大矢)は、裁判官を正面に見て右側、そして傍聴席に対して横向きに座るので、大矢の顔をしっかり見るために、裁判官を正面に見て左の前に座ろうと画策していたのですが、残念。
そこら辺の良い席は報道席として確保されていて一般傍聴人の私は座れませんでした。
なので結局私が座ったのは裁判官を正面に見て右側の席。
被告人の横顔が見えるポイントにしました。
うん、警備員がいっぱいいますね。邪魔かも。
精神統一。
したくてもできなかったたくさんの人を差し置いて傍聴させてもらう以上、自分のできる限りの力で法廷で起こったことを記録しよう。
この目と耳で大矢をしっかり見つめよう。
ねるみレポ:裁判
被告人・大矢誠は紺のスーツとメガネ姿で現れました。
あんな罪を犯した人だと知らなければ『大人しそうな普通のなおじさん』という印象を持ったと思います。
裁判官の細谷さんはメガネの細めのおじさんだったかな・・・見た目の記憶は曖昧です。
話し方が冷静で(当たり前ですね)、指摘するところはしっかり指摘。
検察官は20代かなぁ?いって30代前半まで、といったくらいの若いこちらもメガネの男性。
ちょっと風邪を引いてるっぽかったです。
20センチ位の厚みのデカファイル(付箋ぎっしり)を5〜6冊持って来てました。
質問内容や話し方からとても熱心な印象を受けました。
弁護人が一番印象うすい。おじさん、くらいしか覚えてませんすいません。
持ってきてたのはペラッペラの薄い紙のファイル2冊だけ。
喋り方に自信や勢いなど一切感じませんでした。
それでは以下、裁判の全内容の記録です。
聞き落とした箇所は?になっています、ごめんなさい。
13:30に始まった公判は14:40過ぎに終了。
大矢が退廷する際、思わず「◯ネ」と声は出さずに口だけ動かしてしまいましたが警備の人誰も気づかなかったようで無事で済みました。
私以外も傍聴人の誰も暴れたりなど一切なく。
ねるみレポ:ねるみが見た大矢誠
質問されてすぐにスラスラと回答していて、すごく練習したかのようでした。
淡々とした話し方で感情が全く見つけられず。
犯罪を犯したこと、ネットの情報や書き込みを見て抵抗が薄れてエスカレートしたことは認めるものの、そこに『いたぶる楽しさや気持ち良さがあった』ことは明確に認めたくないという印象でした。
・・・突然ですが、私も生き物を虐待した経験があります。
小学校へ上がる前の幼少期のある日、アリを石で潰してたんです。次から次へと。
なんでそんなことをしたのか今となっては分かりませんが当時は遊びとして楽しんでやってました。
それを見つけた母親がすっ飛んできて、アリさんを殺したら可哀想、アリさんは生きてるんだということを大説教。
そしてハッと気付き、なんて酷いことをしてしまったのだと泣いてアリにごめんなさいしました。
私は小さい時に気付けたから良かった。
でも大矢はきっと長い人生の中で一度も気付けなかったんでしょう。
ねるみレポ:帰宅後ニョルまると
無事東京からど田舎へ帰宅。
ニョルとまるも無事^^
お留守番を頑張ってくれたのでご褒美ご飯&ご褒美とろ〜りシーバ!
そしてすぐ出す。
うん、元気が一番じゃ。
裁判の結果と今後
懲役1年と10ヶ月という求刑に対し下された判決は、懲役1年と10ヶ月、執行猶予4年。
実刑判決には至りませんでした。
犠牲となった猫たちのことを思うと胸が締め付けられる思いです。
うちのニョルとまるが殺されていたら、気が狂うかもしれない・・・
今年2018年の秋に予定されている動物愛護管理法の改正において、愛護動物虐待罪の罰則が強化されることを切に願います。
失った命を取り戻すことはできないけれど、彼らの死を無駄にしてはいけない。
何もできないかもしれないけど、意思表示のために署名。

ではでは〜。